kabaneko3471のブログ

日記と本の紹介をしてますー

8/24 「傲慢と善良」

「あの子と結婚したい気持ち、今、何パーセント?」
「---七十パーセントくらいかな」
架がそう答えた瞬間だった。美奈子の顔に意地の悪い笑みが浮かぶ。「ひどいなぁ」と彼女が言った。
「ひどい?」
「今私、パーセントで聞いたけど、それはそのまま、架が真実ちゃんにつけた点数そのものだよ。架にとって、あの子は七十点の彼女だって、そう言ったのと同じだよ」

辻村深月、「傲慢と善良」、朝日新聞出版、2022年

結婚したいかよく分からない、と人に言うとよく「その人とずっと一緒にいたいかどうかだよ」と言われる。うーん、それが分からないんだけどな。

将来一人でいるのは寂しいと思うし、自分は一緒にいてくれる人がいる方が精神的にも安定すると思ってはいるけど、じゃあ結婚したいか、子供が欲しいかと言われると、そこに直接結びつかないなあ、と思う。自分の課題ではあるけど、将来を考えるのが得意でなくて、それゆえに単純にイメージしきれないだけなんだけど。。
でも、そういう考えを持ったまま恋人と関わっているのは、結婚に踏み切らなくてもずっと相手が居てくれるという思い込みであり、「傲慢」なのかもしれない。

昔の結婚は、よく分からないけどそういうものか、ということで結婚して、それから関係を作っていった、と本文中にあった。飛び込んでみたら何か変わるかもしれないけれど、一大行事だよなあと思う。結婚したい気持ちが七十パーセントだったとしても、相手を幸せにすると覚悟を決めて結婚に飛び込める勇気がある人たち全てが凄いなあと自分は思う。

傲慢と善良はエンタメとしては面白いけれど、自分はどうなんだろう、と思った時に答えは出なくて、奥深い小説だなと感じた。